試食販売員のおばちゃんが使う最強のフロントエンドバックエンド戦略とは!?

 
試食販売員のおばちゃんが使うフロントエンドバックエンド戦略が最強すぎる

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休日のイオンモール。

カップルやファミリーなので賑わうリア充専用フィールド。

 

ヒキコモリでコミュ障の僕には縁のない場所なのだが、悲しいかな家族を持っていると自ずと訪れなければいけない場所でもある。

そしてイオンに売っている食品は何かと安い。

休日の食品コーナーにはかなりの確率であの人たちがいる。

 

そう、試食販売員のおばちゃんだ。

そこで僕は最強のおばちゃんと対決することになった。

 

このお話は作者の実体験を元に多少のフィクションを含んでいます。
また中二発言などが頻発する事を了承の上お楽しみください。

 

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リアル友なし・非モテ・コミュ障・中二病・ヒキコモリ・ゲーム廃人。

運命のライトノベルに出会い、作家を目指してブログで物語を書いている。

頭の中は常に中二妄想でいっぱい。

コメント返信に命をかけている。

実は、2児のパパで女王様(嫁)の召使いもしている。

詳しいたらこの生態を見る「プロフィール

たらこ

 

フロントエンドバックエンド戦略には勝てない!?

 

イオンの食料品店に着いたたらこ一行は、野菜コーナーから足を踏み入れることになる。

美味しそうなトマトやレタスなど新鮮さを保つために陳列棚から冷気が流れている。

たらこの嫁は今日の夕飯を何にしようか考えながら、玉ねぎやキャベツといった野菜を物色している。

子供たちはというと、家とは違い広い場所に興奮して走り出していた。

 

息子(3)が先陣を切って、後続に娘(6)が続く。

たらこは他の人の迷惑にならないように、そんな子供たちを追いかけて振り回されている。

時には大声で怒鳴り、商品を触りそうになると猛ダッシュで止めに入る。

そうこうしているうちに、野菜コーナーから魚コーナーに景色が移り変わった。

店の一番角にある魚コーナーを曲がると、次に見えるのはお肉コーナー。

 

そして、お肉コーナーにはいたのだ。

彼女が……

 

彼女を見つけた子供たちは一目散に彼女めがけて走っていく。

その彼女とは……

 

 

試食販売員のおばちゃんだ。

頭には白い三角巾を装着して、笑顔には少し小じわがある40代後半くらいの優しそうなおばちゃんだ。

彼女が焼いているウィンナーの香りがお魚コーナーにまで漂っている。

 

あぁ、なんていい匂いなんだ。

しかし、この匂いに負けてはいけない。

なぜなら、ウィンナーを買わされてしまうからだ。

 

などと考えている間に子供たちはもう試食の順番待ちをしている。

すぐさま子供たちのもとへかけ寄るたらこ。

 

「こら、もういくよ!」

「えぇ、ウィンナー食べたいー」

「んー、んー」

 

残念そうな顔をして食べたいオーラを醸し出して訴えてくる娘。

父親の服を引っ張りウィンナーを指差す息子。

 

たらこもホントは食べさせてあげたいのだが、試食に手を出してしまうと本来買わなくていいものまで買うハメになるのだ。

少しネットビジネスをかじったたらこは知っている。

試食販売は、フロントエンドバックエンド戦略なんだ。

あれは無料で人を集めて美味しいものを食べさせて商品を買ってもらおうって魂胆なんだ。

 

そこで、試食販売員のおばちゃんと目が合う。

 

(あら、ぼうや!このウィンナー買ってもらうわよ)

(いや、買わない!絶対買わないからな)

 

たらこは目で必死に抵抗する。

 

二人は出会った瞬間に確信した。

ヤツはゲーマーだと。

ここには倒さなければならない敵がいる……と。

 

 

ウィンナーをヤル(買う)かヤラれ(買わせ)るか!

 

ーーさぁ、ゲームを始めよう(ますわよ)ーー

 

 

先に仕掛けたのはおばちゃん。

 

「お嬢ちゃん。お一つ個どうぞ」

 

爪楊枝に少し冷めたウィンナーを刺して娘の前に差し出す。

娘は、えっ?いいの?という感じで恐る恐る受け取る。

 

「ほら、ぼくもどうぞ」

 

息子にも同じように冷めたウィンナーを渡す。

息子はよろこんで受け取ってパクっと食べてしまった。

 

「お父さんもどうぞ。美味しいですよ」

 

と言って、ニコニコしながら出来たてのウィンナーを差し出してきた。

 

(な、なんて出来る人なんだ!小さな子供には熱くないウィンナーを渡して、大人の僕には出来たての美味しいウィンナーを渡すとは!!)

「あ、ありがとうございます」

 

渋々ウィンナーを受け取るたらこ。

 

だが、たらこはこの後の展開を予想している。

(ふん、この後僕に商品を売り込みにくるのだろう?ん?)

 

だが、たらこの手には買い物かごがない。

そう、どうやってもたらこに商品を売り込んでもたらこが商品を買う確率は低いままなのだ。

(このまま何事もなかったかのように去ってしまえば僕の勝ちだ。どうする?)

 

おばちゃんもたらこをひと目見たときからそんなことはわかっている。

 

「おいしいでしょ?」

 

たらこの娘に話しかけるおばちゃん。

 

「うん」

 

恥ずかしそうに答える娘。

その答えにおばちゃんの口元がゆるむ。

(ぼうや、この勝負私の勝ちよ)

 

おばちゃんは続けざまにたらこにも笑顔でウィンナーの感想を聞く。

 

「お父さんもどうでした?美味しかったでしょ?」

「ええ、美味しいですね……ほら、いく……」

 

そして、たらこが子供たちにこの場を去ることを言おうとしたその時。

 

「お嬢ちゃん。もう一つ食べる?」

 

おばちゃんは娘におかわりを勧めた。

娘は喜んでうなずいた。

 

「うん」

 

そして娘と息子にもう一つずつウィンナーを差し出した。

(何を考えているんだ?そんなことしたって……ま、まさか!?)

たらこがおばちゃんの狙いを確信して慌てて後ろを振り返る。

 

 

そこにはたらこたちを見つけて、買い物カートを引いてこっちへ向かってくるたらこ嫁の姿があった。

たらこは驚愕の眼差しで自分の嫁を見つめた。

その目線をどう受け取ったのか、たらこの嫁は一直線にこちらへ向かってくる。

 

(くるな、くるな、くるなくるなくるなくるなくるなくるなくるなくるなくるなあぁぁぁぁ!)

 

たらこが必死に目で訴えるが念力を使えるわけでもないので、たらこの嫁は美味しそうなウィンナーがあるわ、という感じで歩みを止めることはなかった。

 

そこへ追い打ちをかけるように、息子が

「ママあぁぁぁー」

とウィンナーをほうばりながらお母さんのもとへ走っていく。

 

「なあぁ!?」

 

驚愕にあえぐたらこは、おばちゃんの方に視線を戻した。

たらこの目に入ってきたのは、たらこのに向かって微笑みながらウィンナーを焼くおばちゃんの姿があった。

 

(私の狙いはぼうやじゃないのよ)

(そうか、狙いは嫁さん……だ、だが、まだ大丈夫だ。おばちゃん、キサマは知らない。冷蔵庫の中身を把握しているのは嫁さんじゃなく僕だということを)

 

一般的に家計のやりくりをしているのは奥さんだが、まれに旦那さんがやりくりをしている家庭もある。

たらこ一家は珍しい家庭に分類される。

 

(ふはは、甘い、甘いぞおばちゃん)

 

冷蔵庫の中身を知らないたらこ嫁に話を振ったところで、たらこ嫁はたらこに相談するだけだ。

 

「お母さんもお一ついかがですか?」

「あ、どうも」

 

おばちゃんからウィンナーを受け取り一口で食べてしまう。

 

「どうです?美味しいでしょ?」

「あ、はい」

「よかったら、今晩の夕食にでもいかがですか?」

 

そう言ってウィンナーを勧めてくるが、たらこ嫁はたらこに向かって言う。

 

「ウィンナーって家にあったっけ?」

 

たらこは笑い出すのを必死にこらえながら答える。

 

「うん。あったはず、最近買ったばっかりやで」

「そうなんですね!」

 

無理やり会話に入ってくるおばちゃん。

二人して困惑していると、おばちゃんは続けて言う。

 

「ウィンナー美味しいですもんね。お子さんたちも大好きそうですしね、ウィンナーってすぐ無くなるので多少のストックがあっても困りませんよ?いつもは値が張るこのア◯トバイエルンがお安くなっているのでいかがですか?」

 

たしかに普段見るア◯トバイエルンは400円くらいするが、今売り出されているものは350円少々で買えるので安い。

 

「あー安いねー」

 

たらこ嫁のその一言にたらこは眉をひそめ、おばちゃんは唇をつり上げた。

ここぞとばかりにおばちゃんがたたみ掛ける

 

「そうなんですよ!私もいつも高くて手が出せないア◯トバイエルンなんですが、高いだけあってやっぱり美味しいんですよ。だから私もこのお仕事が終わったら買おうと思ってまして。普段はア◯トバイエルンですか?」

「いや、違いますよー。いつも安いやつを買ってますね」

「そうなんですね!なら今のこの安い時にぜひお一つどうですか?」

 

おばちゃんはそう言ってさりげなくもう一口、試食のウィンナーをたらこ嫁に向かって差し出す。

 

「あ、もひとつどうぞ?」

 

「え、あ、どうも」

 

(ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいいぃぃ!失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した。なぜ考えなかった。たとえ家にウィンナーがあってもトーク力でどうにでもなることを)

 

たらこはこの状況を打開できる策を猛烈に思考していた。

 

(どうする、どうするどうするどうするどうするどうする)

 

その間もおばちゃんとたらこ嫁の会話は弾んでいる。

 

 

脳が焼けきれんばかりにフル回転させていたたらこに声をかけるたらこ嫁。

 

「どう思う?一個買おうかなって思うんだけど?」

(ア◯トバイエルンを握りしめたその手は何だ?もう買う気満々じゃないか)

 

いくら家計を握っていると言ってもたらこの権力がたらこ嫁より上にあるわけではない。

こういう質問をするときのたらこ嫁は「買うけどいいかな?」と捉えなければならない。

 

否定することを許さない雰囲気をかもし出している。

もう打つ手がないたらこは諦めた感じで言い放つ。

 

「まぁ、好きにしたらいいよ」

「ありがとうございます」

 

すかさず笑顔でお礼を言うおばちゃんはさすがだ。

たらこ嫁はア◯トバイエルンを買い物かごに入れ、満足そうにしておばちゃんに向かって一言。

 

「じゃあ、1つもらいます」

「ありがとうございました」

 

おばちゃんはお辞儀をして決まり文句を言った。

 

ふと、たらこと視線を絡めたおばちゃん。

 

(言ったでしょぼうや、絶対に買ってもらうって)

(くっ!ぐぬぬ)

(このゲーム、私の勝ちね)

 

たらこは拳を握りしめてトボトボと歩きだす。

 

その後ろ姿を見た送ったおばちゃんは満足したように従業員専用入り口へ凱旋する。

 

 

勝者と敗者がここに明確に分かれた。

 

 

 

店の裏に戻ったおばちゃんはおもむろに顔に手を当てて肌を引きちぎる。

ビリビリと音お立てて被り物を取るおばちゃんの顔は、隣に立てばハリウッド女優も涙を流して帰るほど美しく整っていた。

白く透き通った肌、腰まで伸びた長い髪は太陽のように輝くブロンドヘア。

そして、ひときわ目を引くのが左右で色の異なるオッドアイ。

碧玉と紅玉の瞳を持つ美女だ。

 

人気のないところで変装を解いた金髪オッドアイ美女の元へブーブーと電話が鳴る。

 

「申し訳ありませんボス、今連絡しようと……」

「そんなことはいい。それより今回の失敗はお前の未熟さにある」

「なっ!失敗とは!私はターゲットを仕留めました」

「だから未熟だというのだ。次はないと思え」

 

ブツッ、ツーツーツー。

 

そしてケータイに1通の添付ファイル付きメールが届く。

ファイルには店の監視カメラの映像があった。

 

そこには今回のターゲットであるたらこの驚くべき光景が映っていた。

 

 

ア◯トバイエルンを購入したはずのたらこが、商品を特設コーナーとは別の正規コーナーへ戻していたのである。

監視カメラに映っていることをわかっているのだろうか、たらこはカメラに向かって笑いながら口を動かした。

 

「ーーーーーー」

 

読唇術でたらこの言葉を読み取った金髪オッドアイ美女はケータイを地面に投げつけ歯噛みする。

 

「やられた、あんのガキィ」

 

そう言って彼女はその場を立ち去った。

 

 

 

たらこはカメラに向かってこう言っていた。

 

「買い物はレジを通すまでが買い物だぜ」

 

投げられたケータイにはまだ映像が流れていたが、彼女がそれを見ることはなかった。

映像の続きでたらこはこうも言っていた。

 

「だが、ウィンナーは買う羽目になったよ。こっちのもっと安いやつだけどな。だから今回は引き分け……かな?楽しかった、またやろうぜ!」

 

あとがき

 

どうも、たらこです。

今回はビジネス戦略の1つ、フロントエンドバックエンド戦略について説明しようとしたのだが……何故こうなった?

 

と、とりあえず簡単に説明すると……

損して得を取れ!という感じかな。

 

はじめに、無料あるいは低価格で有料級の商品を提供することで、たくさんのお客さんが来てくれる。

次に、そのうちの一定数のお客さんに、あなたが本当に売りたい商品を買ってもらう。

 

最初は損した気分になるかもしれないが、あとで買ってもらう商品でしっかりともとが取れるので、実は得しかしない戦略だったりする。

しかし、LTVとか値段設定とか色々計算しておかないと大変なことになったりするので、ビジネスの勉強はしっかりしようね。

 

 

ん?LTV?何それ?

っていうか、そういう設定とか色々教えてほしいんだけど……

 

わかるよ。でも本文終わっちゃったし。

ホントはそういう設定とか説明したかったんだよ。

 

でも、僕の頭の中がちょっとアレなので……

だから言ったでしょ。何故こうなった?って。

 

 

ウィンナーはネームバリューがなくても美味しいよ。

タコさんウィンナー

 

 

 

 

 

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