2018/01/22

カレーの作り方 ~狂乱の料理人~

 
カレーの作り方

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老若男女、大人から子供まで嫌いな人はいないと言われるくらいの人気レシピ。

カレー。

今日はそんなカレーの作り方を紹介していこうと思うのだが、

カレーの作り方と一口に言っても様々な作り方があったりする。

そもそも、作り方なんてカレールーの箱の裏に書いてあるし。

そこで、普通に作り方を説明したとしても何の面白みもなく、発見もないので、

ストーリーテラーを自称するたらこが、レシピを紹介するとこうなる。

続きを見るのは自己責任でお願いします。

それではどうぞ!

 

狂乱《バーサク》の料理人

 

キッチンに一人の男がたたずんでいる。

何をするでもなく、ただ立っている。

しかし、その後ろ姿はどこか鬼気迫るものがあり、近寄り難いものだった。

左手には三角巾を握りしめ、ゆっくりと頭に巻き付けていく。

ざんバラに切られた黒髪に鋭い眼光、口元から白い歯を見せる男は不敵に笑っていた。

しなやかでいても一目でわかる鍛え抜かれた体にはエプロンが装着されている。

 

「フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」

 

突然、頭がおかしくなったかのように笑い出した男の名は篠原狂夜しのはらきょうや

 

「これから貴様たちをもてなしてやるぞ。フハハハッ」

 

狂夜の眼前には数多くの食材が並べられている。

ジャガイモ、ニンジン、タマネギ、豚肉、カレーのルー、そしてお米。

これだけの食材を見れば、狂夜が何をするかは明白だろう。

狂夜はこの食材たちを前に目を閉じて、胸元で合掌する。

 

狂乱の調理法いただきます

 

狂夜が言葉を発すると、彼の体からオーラのようなものが立ち込めてきた。

 

「まずはお前からだあああぁ」

 

そう言って狂夜が手にしたのは三合分のお米。

 

「い、いやぁ」

 

狂夜の耳にかすかな悲鳴が聞こえてくる。

声の主に下卑た笑みを見せ、高らかと笑う。

 

「フハハハッ、そそるぞっ、貴様には水責めだああぁ、それそれ」

「やあぁ、やめて、やだああぁああ」

 

狂夜が話している相手はお米である。

なんと彼は食材と対話できる能力の持ち主なのだ。

 

狂夜は三合分のお米が入ったボールを手にウォーターサーバーへと歩み寄る。

冷水ボタンを押し、じょぼじょぼと水をお米に浴びせていく。

決死の声で抵抗するが、狂夜は無情にボタンを押し続ける。

やがてお米の声が聞こえなくなるとボタンから手を放し、ボールに手を入れる。

軽くかきまぜた後、すべての水を捨てた。

 

「っぷはっ、はあぁっはあぁっ」

「どうだ? 感じただろう?」

「何言ってんのよ。もう少しで死ぬとこだったじゃないの。ゲホッゲホッ」

「フハハハハハハハッ」

 

お米はびしょ濡れになって頬を膨らませて狂夜をにらみつける。

しかし、狂夜はそんな彼女の怒りもどこ吹く風か、今度は水道水をひねり大量の水をお米に浴びせる。

 

「やああああぁ、だぁ、だめええぇぇ」

「いい声だ、フフフフハハハハハッ」

 

お米がすべて水に浸かった後、また軽くかきまぜてすべての水を捨てる。

 

「ゲホッゲホッ、はぁっ、はぁ。もう、何すんのよ。本当に死んじゃうとこ……」

 

狂夜と目が合うとお米の怒りに満ちた目が見る見るうちに恐怖へと変わっていった。

 

「クックックッ」と下種な笑みを浮かべながら、狂夜の右手がわきわきとした動きでお米へと向かう。

「いやあ、こないで、いやよ、触らないで」

 

手をソフトボールを握るような形にして、わしゃわしゃとお米をかき混ぜる。

 

「……んっ、くっ…はんっ、だめ……んはっ」

 

かき混ぜられるお米は必至で口を押さえて声を殺している。

狂夜はそれを楽しむかのように何度も何度もかき混ぜる。

 

「ほら、気持ちいのだろう? もっと素直になったどうだ?」

「何、を…はんっ、気持ち……いい、なんて、んっ……はうっ」

 

一通りお米を撫でまわした後、また水道水でお米をびしょびしょにする。

どこから溢れてきたのか、その水は真っ白に染まっていた。

 

「こんなに白いものを出して、感じてないわけがなかろう。フハハハ」

 

すべての水を捨てた狂夜は息を切らすお米に嗤いかける。

数粒のお米を手に持ってパラパラとボールの中へと落としていく。

そしてまた、わしゃわしゃとかき混ぜ始めた。

 

「だめっ、そこ……は、はうんっ、あっ……んんっ、らぁ、らめぇ……もう、いっ……」

 

お米が少し震え始めると狂夜はその手を止めてしまった。

お米はとろんとした目で見つめてくるが、狂夜は蔑んだ目でお米を見下ろす。

 

「もうヤバいのか? ふんっ、ならこれでもくらうがいい」

 

狂夜はまた水道水を流し込んで白濁の水を眺める。

先ほどとは打って変わり、死の恐怖を目に宿したお米を見るなり口元を吊り上げ愉悦に浸る。

そして、水責めにしては水を流すという行為を数度繰り返した後、3合分の水を張り炊飯器にセットする。

ふたを閉める直前に見たお米は縋るような眼差しを狂夜に向けて、口からはよだれがこぼれていた。

 

 

次に狂夜が手に取ったのはタマネギだ。

「ひゃん」とかわいらしい声を上げるタマネギは、うるうるした目で狂夜を見上げる。

 

「ヒヒヒッ、中に閉じこもってちゃよく見えないな」

 

狂気の目でタマネギの皮に手を伸ばす。

タマネギはふるふると震えながら、目には涙を浮かべている。

びりびりびりびり。

タマネギは皮の一部をはがされて、雪のように白く美しい肌をあらわにする。

タマネギは必死になって隠そうとするが、狂夜はその手を止めることはなく、次々と皮を引きちぎっていく。

 

「もう、もうやめてくださぃぃ、ひぃぃん」

「何を言ってるんだ? これからが本番だろ? フハハハッ」

 

タマネギはぽろぽろと涙を流して懇願するも狂夜に一蹴されてしまう。

狂夜は全身をあらわにしたタマネギを前に舌なめずりをする。

 

「ヘヘヘヘッ、実に食べごろだなぁ」

「いやっ、やめて……やめてくださいぃぃぃ」

 

狂夜は右手に持った包丁を一気に振り下ろす。

シャキッと音を立てて透明の液体をまな板にまき散らす。

タマネギは切られた所からどくどくと体液を流していき、

やがてタマネギは目に涙を浮かべたまま見るも無残な姿へと変貌した。

タマネギの悲鳴という幸福の蜜を味わった狂夜は、その残骸を鍋へ放り込んだ。

 

 

狂夜はニンジンへ手を伸ばした。

狂夜につかまれたニンジンは恐怖の顔でぶるぶると震え始めた。

 

「やめてくれ、お願いだ。見逃してくれええぇぇぇ」

「いいぞ、いいぞ、いいぞいいぞいいぞいいぞいいぞいいぞいいぞ、もっと叫べ、恐怖におののけ」

 

ニンジンは狂夜の手から必死に逃げようと体を動かすが、鍛え抜かれた圧倒的な握力の前にはどうすることもできなかった。

狂夜は暴れ狂っているニンジンをまな板にたたきつけ、足の先をめがけて包丁を振り下ろす。

ズシャッ。

 

「うわああああああああぁあぁぁああああぁ、足がああ、足がああああああ!」

 

涙を流して暴れまわるニンジンに「うるさい」と一言告げて頭部の上辺を切断する。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああああああああ、頭がああああああ!」

「フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ」

 

ニンジンの悲鳴を聞いた狂夜は愉悦に浸り、その笑い声は部屋中に響き渡った。

狂夜が包丁を振り下す度に調理場は阿鼻叫喚の地となった。

 

 

ピクリとも動かなくなったニンジンを見下ろし、タマネギの入っている鍋へと放り込む。

狂夜が次に目を向けたのはジャガイモだった。

しかし、ジャガイモは他の食材と違い落ち着いていた。

 

「随分と余裕ぶっこいでるじゃねぇか。ああん?」

 

狂夜の脅しにも眉一つ動かさずに、ただ静かに座ている。

 

「チィッ、澄ましやがって。ハハッ、だがそれもどこまで持つかな? なあ、男爵さんよ」

「……っ」

 

これから自分の身に起こるであろうことを想像したのか、ジャガイモの表情がわずかに揺れる。

その些細な変化に気づいた狂夜は、ピーラーを手にジャガイモを鷲掴みにして口を吊り上げる。

 

「しゃあはあぁぁぁ、皮剥ぎの時間だぜえええ」

 

狂夜はものすごい勢いでジャガイモの皮を剥いでいく。

ジャガイモはその痛みに必死に耐えているが、終わることを知らない狂夜の皮むきが次々と痛みを与えていく。

 

「ぐはっ、はあっ、はあっ」

 

すべての皮を剥がれたジャガイモは肩で息をする。

 

「さすがは男爵。この痛みに耐え抜くとは、その爵位は伊達ではないな。フハハハッ」

「ふんっ、おぬし程度に屈する我輩ではな……ぐはっ」

 

狂夜はジャガイモの言葉を最後まで聞くことをせず、その体を切りつけた。

切られた所を手で押さえ必死に冷静を保とうとするが、狂夜は容赦なく切りつけていく。

 

「がはっ、ぐっ」

「まだ息があるか。フハハハッ。なら、そのままでいろ。もっと面白いことが待ってるぜ。クククッ」

 

狂夜はまだ息のあるジャガイモを先ほどの鍋に投げつけた。

 

 

そして、冷蔵庫を開けた狂夜が手にしているのは、赤いバラのように美しい輝きを放つ豚肉だ。

べちゃっと音を立ててまな板に放り投げられた豚肉は「あん♥」と妖艶な声を上げて狂夜を見上げる。

豚肉はこれからされることを思うと喜ばずにはいられないのか、赤い顔をさらに赤くしてくねくねしだした。

 

「はんっ、この変態め」

「変態じゃないわよ。ただ、今からされることを思うと……うへへへぇ」

 

にまぁと口を広げ、体からはすでにねちょねちょした液が溢れている。

狂夜は豚肉の体を指でなぞり粘液をツーっと持ち上げる。

親指と人差し指で粘液をべちゃべちゃした後、豚肉の口に突っ込んだ。

 

「むんぐぅ……んー、あっ……はあっ」

「ハハハッ、このメス豚め。もうこんなに濡らしやがって、嬉しいか? ふんっ、そうかそうか、もっと舐めろ。ほれほれ」

 

狂夜はぬるぬるした自分の手を見て狂気のように肩を揺らして笑う。

そして、次の瞬間には豚肉の体に包丁が突き刺さっていた。

包丁を何度も何度も抜いては指すという行為を繰り返している。

 

「俺の手をこんなにしやがって。どうしてくれるんだ? ああん? 答えろよ。オラオラオラァ」

「あん、うふぅん……あぁん、いい、いいわ……もっと、もっとしてぇぇ」

 

包丁が豚肉の体に刺さるたびに彼女は歓喜を上げて喘ぎだす。

口からはよだれをこぼし、目は焦点を失っている。

それでも豚肉はもっと刺してと要求する。

 

「らめぇ、もう……あんっ、わた、し……ひぎっ、らめぇ、くるぅ……なんかくるううぅ……」

「何が来るんだ? お楽しみのところ悪いが、残念ながらもうおしまいだ」

 

そう言って狂夜は手を止めてしまった。

あと少しでどこかへたどり着けそうだった豚肉は、はぁはぁと肩で息をしてとろんとした瞳で狂夜を見つめる。

そんな豚肉をぞんざいに鍋へと放り込むと、ダボダボと水を入れ始めた。

 

「お前たちはこれから火あぶりの刑に処す。ハハハッ、気を失ってる奴らも起きるだろう。フハハハッ。聞かせてくれ、お前たちの悲鳴を」

 

狂夜は両手を広げ、魔王のポーズをとり、よく通る声で食材たちに語りかける。

そして、その手をガスコンロのスイッチへと移す。

カチカチカチ、ボッと音を立てて勢いよく鍋の下に青色の炎がともされる。

狂夜がスイッチを操作すると、青い炎はだんだんと小さくなっていき、やがて鍋に当たるか当たらないかという大きさになった。

数十分すると鍋の中から「熱い」や「助けてくれ」と言った悲鳴が聞こえてくるが、狂夜はそのすべてをことごとく無視する。

 

最後にカレーのルーが入った箱から固形のルーを鍋へと投げ入れる。

熱々の鍋の中に入れられたルーは「うぎゃあああああ」とわめき散らすが、狂夜は不敵な笑みを浮かべて鍋の中をぐるぐるとかき混ぜるだけだった。

固形ルーの体が熱湯で徐々に溶けていき、その身をすべて茶色の液体へと姿を変えたときに、ピーという音が炊飯器から聞こえる。

 

「フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ、出来た、出来たぞおおおお」

 

狂夜は両手を腰のあたりに持ってきて、握りこぶしを作りわなわなと震えている。

 

狂乱のバーサクカレーライス、ここに完成せし」

 

あとがき

 

はい、あほですね。

最後までお付き合いくださりありがとうございました。

カレーの作り方はカレールーの箱にきちんと書いてあるので、それを忠実に守ればおいしいカレーができると思います。

ただ、中二病を患っている僕が箱のレシピを見るとこうなってしまうので、2、3本頭のねじがイッちゃってる人は要注意かもしれません。

ちなみに、カレーなどの煮込む料理は最初から弱火で作ると煮崩れを起こさず、おいしくいただけますよ♪

 

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リアル友なし・非モテ・コミュ障・中二病・ヒキコモリ・ゲーム廃人。

運命のライトノベルに出会い、作家を目指して物語を書いている。

頭の中は常に中二妄想でいっぱい。

コメント返信に命をかけている。

実は、2児のパパで女王様(嫁)の召使いもしている。

現在執筆中の小説「1つ言っておくが、オレは魔族じゃねぇ!

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たらこ

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