2017/09/08

浦島太郎はなぜ乙姫を攻略できなかったのか? 亀出会い編

 
浦島太郎は何故乙姫を攻略できなかったのか?前編

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浦島太郎……ご存知、日本昔ばなしに出てくる主人公。

 

亀を助けるという善良な心を持つ彼は、数日間の無断外泊をしただけで天に召されてしまう。

しかも彼、童貞のまま生涯を終えてしまうのだ。

悲しすぎやしないか?

同じ男としてそうは思はないか!

たしかに美味しいものも食べた、お魚さんたちのきれいな踊りも見れた。

駄菓子菓子、ちがうだろ。そうじゃないだろ!

浦島太郎。おまえが本当に望んでいたことはそんなことじゃないだろ!

 

そして、こんなブログを見に来てくれた読者諸兄よ。待たせたな。

今日ここに浦島太郎が再臨する。

さしあたってまずは、もっと現代的な名前に改名しようと思う。

 

この物語は童話「浦島太郎」を元に現在進行形で中二病の作者が妄想に妄想を重ねたフィクションです。
リア充爆ぜろ!表現が出てくるのを了承の上お楽しみください。

 

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リアル友なし・非モテ・コミュ障・中二病・ヒキコモリ・ゲーム廃人。

運命のライトノベルに出会い、作家を目指してブログで物語を書いている。

頭の中は常に中二妄想でいっぱい。

コメント返信に命をかけている。

実は、2児のパパで女王様(嫁)の召使いもしている。

詳しいたらこの生態を見る「プロフィール

たらこ

 

浦島凛太郎

 

漁師の朝は早い。

皆が寝静まった真夜中に仕事が始まる。

 

今日も真夜中の海岸に一つの影がゆらゆらと動いている。

影は自分の船を目指して海道を歩いているようだ。

しばらくすると、どこからか騒ぎ声が聞こえてくる。

影は声のする方へ向かうとそこには数人の青年たちが群がっていた。

 

どうやら誰かをいじめているようだ。

近づいてみると、いじめられてるのは人ではなく大きなウミガメだった。

放っておいてもよかったが、海の恩恵を受ける者として見過ごすことはできなかった。

 

「おーい。何やってるんだ?」

「あん!? 何だてめぇ!」

 

影の周りにわらわらと青年たちが集まってくる。

影は物怖じすることなくあっけらかんと言い放つ。

 

「いやー、よくないよー亀いじめちゃ」

「うるせー、てめぇには関係ねぇだろ!」

 

楽しみを邪魔された青年は怒気を強めて言い返す。

それを軽く受け流して影は応える。

 

「たしかに関係ないけどさぁ、ほらぁ、僕漁師やってるからさぁ、海の生き物は大切にしたいわけなんだわ」

 

それを聞いた青年たちはそれぞれに笑い出す。

リーダー格の青年が影に向かって笑いながら口を出す。

 

「ははっ、てめぇ亀を助けるとか浦島太郎かよ、ふっ、ふはははは」

 

その言葉に影は人が変わったように笑いだした。

 

「あーっはっははははは、おしいな、一文字違いだ」

 

そう言って影の目は獲物を捉える猛禽類のようになり一言。

 

「浦島流走行術」

 

ーー瞬歩!ーー

 

青年の目の前から突如姿を消した影は、気づけば青年の背後に回り首に手刀を当てていた。

一瞬にして一人を倒した影は次の敵へ襲いかかっていた。

目にも留まらぬ速さで数人をバタバタと倒していく。

 

最後に残ったリーダー格の青年と対峙する。

あまりの出来事に内心ガクガクと震えて、後ずさりする青年。

対する影は殺意を目に宿し、一歩また一歩と青年に向かって歩み出す。

 

「わ、わ、悪かった、もう、もうしないから、許してください、この通りですから」

 

青年は四肢を地面につけて懇願する。

 

「そうか、もうしないことはわかった」

「ほ、本当か!ありが……」

「だが、断る!」

 

影は青年の申し出を一刀両断した。

 

シュバッ!!

手刀を当てて倒れゆく青年に一言。

 

「俺の名は浦島凛太郎だ、ただの太郎とは大違いなんだよ」

 

全てのいじめっ子を倒した凛太郎は傷ついた亀の元へ歩み寄る。

 

「大丈夫か?ヒドイことしやがって」

 

亀の甲羅は傷つき、腕にケガをしていた。

凛太郎は着ていた服の裾を破り、亀の腕に包帯代わりとして巻きつける。

亀は凛太郎のことをまじまじと見て笑ったような気がした。

 

 

「ーーーーっ」

 

どこからか声が聞こえてきたので、凛太郎は辺りを見回した。

しかし、そこには凛太郎と亀しかいなかった。

不思議そうにする凛太郎にまた声が聞こえてきた。

 

 

「ーーーーっ」

 

「誰だ!? なんて言ってんだ?」

 

聞こえてきた声に問いかける凛太郎。

すると、はっきりと声が聞こえてきた。

 

「ありがと」

「えっ?」

 

思わず下を向いた凛太郎の目は亀に釘付けになった。

凛太郎に笑顔を向けて亀がお礼を言ったのだ。

 

(いやいやいやいや、ははっ、疲れてるんだ、うん、きっとそうだ)

 

現実を直視できない凛太郎は自分に言い聞かせる。

そんな凛太郎のことなどお構いなしに亀はおもむろに2本の足で立って。

 

「助けていただいてありがとうございました」

 

亀は人間の言葉を使ってお辞儀をした。

 

「ーーーーッ!」

 

凛太郎は目を丸くして、呆然と口を開けたまま動けずにいた。

 

「……か、」

「か?」

 

首を傾げながら凛太郎に聞き返す亀。

 

「亀がしゃべたあああぁぁぁっ!」

 

腰を抜かし、後ずさりしながら大声で叫び散らす凛太郎。

先程、いじめっ子達を撃退したクールな凛太郎の姿はそこにはなかった。

突然大声を出されたことに目をむいて驚く亀はあたふたとしていた。

 

騒ぎ倒す青年とおろおろする亀という光景はなんともシュールだった。

 

 

 

程なくして二人は冷静になり、凛太郎は亀がしゃべるという衝撃の事実を受け入れることにした。

 

「と、とりあえずあれだ、落ち着こう」

 

そう自分に言い聞かせて、おどおどと亀に話しかけてみる。

 

「あ、あの~、だ、大丈夫?」

「はい、大丈夫でございます。ウ、ウラシマ様のおかげで助かりました」

 

どこか気品のある育ちの良い言葉使いで亀は答えた。

 

「ん?俺、名乗ったっけ?」

「ええ、先程わたくしにひどい仕打ちをした方に名乗ってらっしゃいましたよ」

 

(あぁ、そういえば言ってたような)

 

「じゃあさ、その、浦島ってのやめてくれないかな?」

「では、何とお呼びすればよろしいですか?」

「うん、凛太郎でいいよ」

「わかりました、リンタロー様」

「様もいらないよ」

「いえ、それはできません。わたくしを助けていただいた命の恩人ですし、殿方を呼び捨てにするなんて……」

 

(殿方って、いつの時代だよww)

 

「まぁ、わかったよ」

 

突っ込みたいことは山ほどあるが、凛太郎は心の中にとどめておくことにした。

海に人語を操る生物がいるなんて考えると今後の漁師生活に影響する。

できればどこか違う世界からの来訪者だということを願って。

そして、一番重要なことを聞くことにした。

 

「えーと、キミはさ、これからどうすんの?海?に帰るの?」

「そうですね。でも、リンタロー様にお礼もしたいですし」

「いや、お礼とかいいよ」

 

(っていうか亀を助けてお礼に…とかもう……)

 

「そういうわけにはまいりません。助けられたのにお礼もせずに帰してしまうなんて一生の恥です」

 

亀はそう言って凛太郎にお礼をさせろと強要した。

凛太郎も大きなウミガメに迫られて内心ビクビクしていたのでお礼をしてもらうことにした。

 

「そうですね……今のわたくしに出来ること……あっ!そうですわ」

 

亀は何やらニコニコして凛太郎に提案した。

 

「リンタロー様!リンタロー様をリュウグウ王国へご招待しますわ」

 

キターーーー

 

やはりそうなのか、同じ浦島だからか。

だが俺は太郎じゃない”凛”太郎だ。

凛太郎は心の中でそう思ったが、ここはおとぎ話ではない、現実だ。

なら、問う必要がある。

 

「リュウグウ王国ってどこにあるんだ?」

「へ? もちろん海の中ですわよ」

 

この亀さんは俺が人間だということをわかっていないのかな?

人間は水中で呼吸する術を持っていない。

 

「その提案は却下する。海の中とか普通に死ぬし」

「あら、それなら大丈夫ですわ」

 

そう言って亀はごそごそと甲羅の中に手を入れて、1つの丸くて白い団子のようなものを取り出し、凛太郎に手渡した。

 

「なんだ?コレ?」

「鬼微団子(きびだんこ)ですわ」

「俺は桃太郎じゃないぞ?」

「ええ、知ってますわ。リンタロー様ですわよね」

「じゃあ、何でキビダンゴ何だ?」

「水中でも呼吸できるようにするためですわ」

「えっ? キビダンゴにそんな効力があるのか?」

「ええ、鬼微団子……つまり鬼の力が入った団子ですもの。当然ですわ」

 

鬼!? そんなのこの世界にいるのか? という疑問は口にしないでおいた。

現にしゃべる亀がいるくらいだ。

鬼がいてもおかしくない……こともないような。

 

「と、とにかく、これを食べればいいのか?」

「はいですわ」

 

死にはすまい、と一口でパクっと食べたが思いのほか美味しかった。

そして、凛太郎は自分の体を見下ろしてキョロキョロしていた。

そんな様子を見た亀はくすくす笑って、表情を一変して目をガン開きにし、両手を腰のあたりに当てて、握りこぶしを作って。

 

「ち、ちからがわいてきたーーー!」

 

わなわなと震えながらセリフを吐く亀が凛太郎に言う。

 

「ってなると思いました? くすっ、外見的な変化は特にないですわ。でも、確実に鬼の力を取り込んだはずですわ」

「そ、そうか」

 

凛太郎は鬼の力を取り込んだことより、亀が思いのほか表現力豊かなことに感心していた。

 

「では、わたくしに捕まってください。リュウグウ王国まで送りますわ」

「えっ? でもケガは……」

 

凛太郎は亀の怪我の心配をしてた。

お世辞にも軽傷という感じではなく、腕の一部に深いえぐられたあとがある。

凛太郎の裾で包帯代わりにしているとはいえ、患部からうっすらと血がにじみ出ている。

しかし、そんな心配をよそに亀は笑顔で答える。

 

「これくらい大丈夫ですわ。それに早くリンタロー様をリュウグウ王国へお連れしたいですし」

「そうか。キミがそう言うならいいけど、無理はするなよ」

「はい。ありがとうございます。では……」

「ああ」

 

凛太郎は亀に捕まってリュウグウ王国へ行くために海へ入るのであった。

 

 

→ 浦島太郎はなぜ乙姫を攻略できなかったのか? 乙姫出会い編へつづく。

 

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